鳥取県社会保障推進協議会と国民大運動県東部実行委員会は2月24日、小林昌司若桜町長に国保・介護保険などについて申し入れ、懇談しました。日本共産党の中尾理明町議が同席しました。
小林町長は「新年度予算39億円のうち町税が2億3500万円。高齢化で財政が苦しい。税金や水道代を上げたいが、町民が生活できなくなるので上げられ ない」とのべ、国保会計に2015年度一般会計から1人当たり2万3688円繰り入れて、国保税を据え置いているとしました。
子育てについては「給食費の2分の1を補助。高校生の通学定期には月7千円の補助。学校長に100万円を渡し、自由に使ってもらっている。シングルマザーへの支援も議論中で、1人当たりの教育費は県下で1位です」と話しました。
住宅リフォーム助成は今年度に創設したとのべました。
小林町長は「年々住みづらくなっている。将来を見据えて国への運動をしたい」と語りました。
介護保険料6900円
昨年12月21日は、八頭町の吉田英人町長と懇談しました。
参加者は、介護保険料基準額が月6900円(37・3%増)と急増し、払える限界に近づいていると指摘し、一般会計からの繰り入れなどを求めました。
担当者は、他市町に比べて施設が多く、在宅サービスを受ける人も多く、給付が多いために保険料基準額が高くなっているが、低所得者が多く、実際の保険料 は基準額ほど高くないとのべました。基金は使い果たし、地方交付税が減るなかで一般会計から繰り入れは困難だと答えました。
特養待機者115人と施設が不足している問題で、小規模多機能施設が設置されたが、介護労働者が確保できず、10床が空くなど経営が困難になっているとして、介護報酬引き上げなどの意見書を検討中だとのべました。
鳥取民医連の渡辺友範事務局長は、鳥取生協病院が生活保護基準の1・3倍をめどに無料低額診療をしているとして、国保法44条の窓口負担減免を同様の基準にすることを求めました。
鳥取農民連の今本潔事務局長は、TPP(輪太平洋連携協定)加盟反対を訴えました。
介護保険料は限界
昨年12月22日、岩美町の榎本武利町長と懇談しました。
参加者は、介護保険料基準額が月6637円と1000円以上も上がったとして、抑制を求めました。
町側は、保険税の高さ、人材確保の困難さを認め、抜本的に見直す時期に来ていると指摘。保険税を6段階から9段階に変え、町費660万円を投入して5~10%の引き下げ(1段階を基準額の0・4、2段階を0・65、3段階を0・7)をしていることを紹介しました。
国保税、住民税、固定資産税などの滞納者350人に対し、生活状況を聞いて分納に応じており、14人に執行停止措置をとったと報告。就学援助は生活保護 基準額の1・3倍以下とし、それを超える場合は、民生委員が家庭の現状を聞きとり、認定協議会で可否を決めるとのべました。
町内の要支援者は訪問介護を87人、通所介護を58人が利用し、地域支援事業に移行後も専門サービスを提供し、住民ボランティアも活用するとのべました。子どもの医療費助成は県と協調して18歳まで拡大し、住宅リフォーム助成制度は継続すると回答しました。
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟鳥取県本部は5月17日、倉吉市で定期大会を開き、再び戦争の犠牲者を生まないために、「戦争法案」阻止のたたかいをと呼びかけました。
保田睦美会長は、安倍首相の戦争に対する「痛切な反省」について、「誰に対して何を反省するのか」と問いかけ、加害者として被害者にした行為を反省しているのかと批判。ドイツでは、ナチスに迫害された犠牲者に年金、イタリアでは、反ファシスト政治犯に終身年金が国家賠償として支払われていると指摘し、安倍首相の侵略戦争犠牲者への謝罪のない70年談話と戦争法案の阻止を訴えました。
曹洞宗僧侶の渡辺大修さん(正福寺前住職)が記念講演し、宗教団体・者がどのように戦争に協力し、弾圧を受け、いかに抵抗したかを語り、「今年を戦前元年にしてはならない」と強調しました。
竹中寿健副会長が、琴浦、北栄、湯梨浜の3町議会での国家賠償を求める意見書可決を報告、1800の署名を集めた池岡靖則さんが活動報告しました。
日本共産党の佐藤博英倉吉市議が来賓挨拶、岡村英治米子市議が国賠請願をめぐる議会報告、民青同盟の岡田正和県委員長が青年の実態を報告しました。
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟鳥取県本部は9日、2月定例鳥取市議会に提出する請願(国に治安維持法犠牲者への謝罪と賠償を要求する意見書提出を求める)について、市議会(房安光議長)に協力を要請しました。
要請には、県本部の保田睦美会長、松本芳彬理事、田江裕東部支部長が参加。田村繁己副議長が応対しました。
保田会長は、治安維持法により10万人が逮捕され、拷問や虐待などで1600人以上が獄死し、県内でも逮捕された人は200人以上にのぼるとして、京都学連事件で逮捕された熊谷孝雄(鹿野町出身)や生活つづり方教育で逮捕された峰地光重(大山町出身)、稲村謙一(鳥取市出身)などを紹介しました。
ドイツやイタリアでは、犠牲者に謝罪し年金を支給するなど賠償をおこなっているが、歴代の日本政府は治安維持法犠牲者の求めに応じていないと指摘。
国に対し、意見書をあげ①治安維持法が人道に反する悪法だったことを認め②犠牲者に謝罪と賠償をおこない③犠牲者の実態を調査し、内容を公表する―ことを求めるよう要請しました。
田村副議長は「承りました」と応えました。
琴浦町は議会最終日の12月17日、「治安維持法犠牲者国家賠償法の制定を求める」意見書を全会一致で可決しました。治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟鳥取県本部(保田睦美会長)が提出した請願書を受けてのものです。
12日の総務常任委員会で請願の紹介議員となった日本共産党の青亀寿宏議員が趣旨を説明。青亀議員の提案で、傍聴していた国賠同盟県本部の竹中寿建副会長が意見を求められ、陳述しました。
これまで意見書を可決した自治体は、日南、日野、旧中山町です。
意見書は、「治安維持法の犠牲者は、平和を願い、人権尊重と主権在民・信教の自由を唱え戦争に反対したために、逮捕され拷問による虐殺、また獄死するという多大な犠牲を受けました。一日も早く政府による謝罪と賠償を実現することは、人道上当然の急務」だとして、政府に法制定と犠牲者への謝罪と賠償を求めています。
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟鳥取県本部は4月26日、倉吉市で県本部大会と結成25周年記念講演会を開きました。
評論家で「鐘は既に鳴れり―碧川かたとその時代」著者の角秋勝治氏が「いまある危機―過去から学ぶ」と題して講演。日本共産党の佐藤博英倉吉市議が来賓あいさつしました。
角秋氏は、国賠同盟の活動に敬意を表し、国賠同盟出番の情勢だと強調しました。
日本の近現代史は、帝国主義戦争の時代であり、帝国主義を検証せずに歴史教育はできないと強調しました。当時の日本政府が侵略戦争を正当化するために、後出しで大東亜戦争(大東亜共栄圏)を掲げたのであり、靖国派が主張する「アジア解放のための戦争」は欺瞞だと指摘。国の過ちに気づいて抵抗した人たち(植木枝盛、幸徳秋水、山本宣治、小林多喜二など)から学ぶべきだと指摘しました。
碧川かたも参加した米よこせ運動で、官憲が米を買い占める悪徳業者(米問屋や地主)
を取り締まるのではなく、銃を市民に向けたのは、石破茂自民党幹事長の「デモもテロ」発言に通ずるものがあると警告しました。
また、富国強兵で外貨を獲得するために銅、絹糸を輸出し、そのために住民が抗毒の犠牲になり、若い女工が命を奪われたこと、関東大震災で朝鮮人とともに「標準語」のできない多くの地方出身者が殺されたことなど紹介しました。
参加者で活動交流し、5月の国会提出に向けて治安維持法犠牲者に対する国家賠償法制定を求める署名運動の促進を意思統一。保田睦美氏を新たに県本部会長に選出しました。