鳥取県春闘学習会 不況打開策として賃上げを

国民春闘共闘鳥取県東部地区懇談会は2月16日、鳥取市で春闘学習会を開き50人が参加しました。
 田中章史・元自治労連副委員長(日本原水協常任理事)が講演し、各職場で働く労働者が発言しました。
 国家公務員労働者は、退職金が15%(約400万円)カットされたうえ、公務員給与削減特例法で給与が7・8%削減されたことを報告。「国家公務員の給与削減は、地方公務員、民間の学校、病院、福祉施設、農協など625万人の労働者に波及する」「労働総研によると2900億円の歳費が削減される一方で、家計消費が2兆円減り、税収が4200億円減少する。財政にプラスにならず、景気を後退させるだけだ」と指摘し、特例法違憲訴訟への支援を訴えました。
 社員食堂で働くパートの女性は、8時間勤務が4時間になり、時給が900円から700円に引き下げられ、生活できないとして、団体交渉で撤回を求めたいと話しました。
 県医労連の湖山隆司書記長は、医師を除く医療従事者の平均給与は、一般労働者より1万2600円低く、介護福祉労働者は6万7600円低い(22万4000円)として、2万円のベースアップを求めていると報告しました。
 田中氏は、安倍政権が誕生し、改憲・構造改革推進勢力が衆院の多数を占めるもと、憲法改悪、アベノミクス(金融緩和、大規模公共事業、成長戦略=多国籍企業のための規制緩和)、TPP推進、消費税増税、原発再稼働、社会保障改悪(保育、医療、介護の規制緩和と企業算入、生活保護切り下げ、公務員賃金削減、地方交付税カット)の危険な流れが強まる一方で、国民が危険を察知し抵抗する流れが生まれていると指摘。
 反動勢力の支持基盤は弱く、国民の世論と運動が政治を動かす状況はいっそう強まると強調しました。
 アベノミクスについて、週刊エコノミストが「デフレが深刻化したのは、企業が内部留保や株主配当に偏重し、人件費を圧縮したからだ。この認識なくして、金融緩和や公共事業で大盤振る舞いをしてもお金は回らない」と批判していることを紹介し、不況打開策として賃上げと雇用拡大をと訴えました。