2013年4月7日付 鳥取民報
ポニー牧場を経営するハーモニィカレッジなどが実行委員会をつくり、東日本大震災2周年の3月11日、鳥取県倉吉市で「田中優講演会」を開き、約300人が参加しました。
田中さんは、日本の電気料金は、先進国の中で一番高いと指摘。そのしくみは、総原価方式で3%の利潤をあげるため、同じ発電量ならガス火力より5倍も建設費のかかる原子力を選び、金融機関から高金利で借りて一般家庭に払わせているためだと話しました。
日本の電気消費量に占める一般家庭の割合は4分の1しかなく、産業と業務が大半を占め、家庭が消費量に比例して単価が高くなる一方で、大企業は消費が増えるほど単価が安くなり、その結果、電気事業利益の9割が家庭で企業は1割しかないと指摘しました。
原発に替わる電源をどうするかの議論ではなく、原発分の電力消費量を減らせばいいと指摘。ドイツは20年間、電力消費量を増やさずにきたが、日本は1・4倍に増やしてきたとのべ、3割減は現実的に可能だと強調しました。
電力消費のピークは夏場の午後1時から3時の間で、電気料金を高く設定することで消費量を落とせ、企業も消費量に比例して単価を高くすれば、大幅に電力消費量を落とせると強調しました。
エネルギーの自給で地域を活性化させることができるとして、オーストリアの人口1万人の町の調査で、石油・ガスの暖房を木質にかえると雇用が15倍に増えたことを紹介。日本は2008年に24・5兆円の化石・ウラン燃料を輸入しており、国内で自給できる自然エネルギーに切り替えることで新しい産業を興し、雇用を創出できると主張しました。
家庭で電気を自給することは可能で、太陽光で発電した電気を蓄電して使用し、電気自動車を充電すれば、電力会社に頼らなくてすむと、自らの実践生活を報告しました。