県立博物館(鳥取市)で25日まで「サルとヒト展」が開かれています。
霊長類は約350種類があるとされ、会場には、はく製や骨格標本が解説とともに展示されています。
霊長類には、曲鼻猿類(キツネザル類、ロリス類)と直鼻猿類(メガネザル類、広鼻猿類、狭鼻猿類)があります。
広鼻猿類(アメリカ大陸に住む新世界ザル)は、オマキザル科、ヨザル科、サキ科、クモザル科があり、狭鼻猿類は、オナガザル上科(アジア、アフリカに住む旧世界ザル)とヒト上科があります。
ヒト上科には、ヒト科とテナガザル科があり、ヒト科は、ヒトと大型類人猿(チンパンジー、ゴリラ、オランウータン)が構成しています。
ニホンザルはオナガザル科マカク属になり、北限のサルとされています。
ヒトとチンパンジーのDNAの塩基配列は、1.23%しか違わず、ウマとシマウマ程度の違いしかありません。ヒトがチンパンジーやボノボとの共通の祖先から分かれたのが、550万年~770万年前だと言われています。
最古の人類の祖先には、約320万年前の化石「ルーシー」(アファール猿人)や約440万年前の化石「アルディ」(ラミダス猿人)などの可能性が考えられています。脳の大きさはチンパンジーを上回る程度で二足歩行が可能でした。
約170万年前の化石「トゥルカナ・ボーイ」(ヒト属)は、現代人と変わらない体型をしています。脳の大きさは現代人の半分程度(猿人の倍程度)。石器を使い、後に火を使って、動物の肉を食べるようになって、消化効率がよくなったため胃腸が縮小し、脳に栄養を送ることができ脳が巨大化した可能性が指摘されています。
ヒト(現代人)は、体重の2%が脳で、基礎代謝の20%のエネルギーを脳が消費しています。他の霊長類は多くて10%程度で、ヒトは高い割合で肉を食べています。チンパンジーは総カロリーの3%程度ですが、狩猟民族は総カロリーの12~86%になります。
年代を追って、ジャワ原人、北京原人、ネアンデルタール人(数十万年前~2万年前)、クロマニヨン人(ヒトの直系、約20万年前~)が登場します。ヒトの起源はアフリカで世界に広まったとされています。
また、多産であり難産であることがヒトの特徴です。難産は、脳が巨大化して赤ちゃんの頭が大きくなったことと、直立歩行によって骨盤が横長になり、産道が狭くなったからだと言われています。多産は、森林から草原に出たことにより、大型肉食獣に襲われる危険が高まったためだと言われています。