鳥取市「9条の会」は8月25日、政治学者の浅井基文氏を招いて同市で講演会を開き100人が参加しました。
浅井氏は、憲法前文をひも解き、アジアと仲良くできる要素があると指摘しました。
第二次世界大戦後の世界には、対等平等な関係を基調とする「民主的国際社会」と支配・被支配を基調とする「権力的国際共同体」の二つの流れがあり、紛争の平和解決、戦争禁止の流れとアメリカの軍事力による支配がせめぎ合っていると指摘しました。
憲法前文は、政府の行為による戦争を否定し、民主的国際社会を展望し、全世界の国民が平和のうちに生存する権利をうたっているとのべました。
しかし、日本は憲法に反して集団的自衛権を行使してアメリカの戦争に加わる法的準備をしようとしていると警告。日本をアメリカの支配から脱却させ、憲法に拠って立つ国にするよう呼びかけました。
また、日本の保守勢力は自国中心の世界観が強く、「他者感覚」が欠如しているとのべました。
参加者は「中国脅威論」などについて意見交換し、浅井氏は「日本の保守政治家が、世界を支配・被支配の関係(アメリカの視点)でしか見られず、軍事的『脅威』をつくりだすことで軍事同盟を強化する口実にしている。実際には中国の方が脅威を感じている」と答えました。