【10月20日付】鳥取県が手話言語条例制定  手話を言語と認めた初の条例

 鳥取県議会は8日、手話を言語として位置づけ普及に向けた環境を行う「手話言語条例」(11日に施行)を全会一致で可決しました。同条例の制定は全国初です。
 日本の手話には、日本手話と日本語対応手話があります。日本手話は、ろう者同士の間で生まれた独自の言語です。日本語対応手話は、日本語の文法に手話単語を当てはめた手話です。
 条例は、手話の意義を「独自の言語体系を有する文化的所産」と規定。耳の不自由なろう者とろう者以外の人が、お互いを理解し尊重する社会を築くことを基本理念としています。
 県は、条例制定を受けて、知事会見への手話通訳者の配置や、タブレット端末を利用した遠隔手話通訳サービス(インターネットテレビ電話で手話通訳)などを実施。ろう者が情報を得たり、発信しやすくする取り組みを進めます。
 職員や県民が手話を学べる機会を増やし、取り組みの進捗状況をチェックするため、第三者機関の「手話施策推進協議会」を設置します。
 日本共産党の市谷知子県議は「ろう教育では、国際的に読唇と発声練習を中心とする口話法が推進され、日本でも学校での手話の使用が事実上禁止されました(2011年まで言語として認められず、多くのろう学校では積極的に教授されなかった)。手話が言葉として認められたことは、障害者の人権が認められた画期的なことであり、障害者が社会的に差別を受けることなく暮らせる環境をつくるうえで大きな役割を果たすものです。また、条例の成立は他の障害の施策の充実にも可能性を広げるものです」と話しています。