【12月8日付】鳥取県児童手当控訴審も勝訴  高裁も鳥取県の違法を認める

 児童手当が振り込まれた預金口座を、県が税の滞納を理由に差し押さえたのは違法だとして、鳥取市の男性(41)が処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が11月27日、広島高裁松江支部(塚本伊平裁判長)でありました。
 塚本裁判長は、「児童手当法の趣旨に反して違法」として、差し押さえた13万円を返還するよう命じました。1審鳥取地裁の配当処分(県税に充当)の取り消しの訴えは却下、同じく賠償の訴えは県に故意、過失はないとして棄却しました。
 男性は事業が行き詰まり、県税等約21万8800円を滞納。
 判決は、①県は2008年6月11日、男性の口座に児童手当13万円が振り込まれることを認識していた②9分後に13万73円の入った預金口座を差し押さえたのは、児童手当によって大部分が形成されている預金債権を差し押さえたもので、児童手当受給権を差し押さえたのと変わりがない―として違法であると認定しました。
 平井伸治知事は29日、「判決は県の徴収判断は正当と認め、他方、従来の最高裁判断の例外として新たな法解釈を示した」などとして、上告断念を発表しました。