【1月12日付】鳥取大学が新型リチウム電池に挑む  次世代電気自動車へ弾み

 鳥取大学と県は12月1日、再生可能エネルギーによる地域づくりのシンポジウムを開き110人が参加しました。鳥取大学の坂口裕樹教授は、次世代電気自動車の新型リチウム電池の開発について講演し、通常の数倍の充放電容量の電池が実現しつつあると報告しました。
 坂口教授は、リチウム電池の負極に従来の黒鉛に替えてケイ素を使うことで、理論的には10倍の充放電容量を確保できるとして、ケイ素とランタンの化合物やニッケル・リン化合物を使う研究をすすめ、実験段階では成果が出たとのべました。
 しかし、「電池を制するものは、次世代電気自動車を制するといわれるが、自動車メーカーが自社開発にこだわって系列の部材会社が乱立している」ため、「(新型リチウム電池に対する)海外の関心は高いが、国内では買いたがらない」と指摘。国内産業が世界をリードするために、国が部材メーカーを育てることが重要だと強調しました。
 基調講演をした堀尾正靭・東京農工大学名誉教授は、このまま温暖化ガスの増加が続くと、海中に存在していた二酸化炭素や、メタン(ツンドラの土壌にも含有)が大気中に噴出して2050年頃から急激に温暖化がすすみ、取り返しがつかないことになると警告しました。
 温暖化防止について再生可能エネルギーでの地域経済活性化、低速電気バス、100年住宅などを提唱しました。