ジャーナリストで宇宙飛行士の秋山豊寛さん(京都造形芸術大学教授)が11日、鳥取環境大学(鳥取市)で地球研地域連携セミナーの基調講演をしました。
秋山さんは、「宇宙から地球を考える」と題して講演。福島第一原発から32㌔の中山間地に土地を買い、農業をして暮らしていたが、原発事故で全てを失ったとのべました。
自らを「原発難民」で「被ばく者」だと紹介し、ソユーズの宇宙飛行士の仲間の招待でモスクワの宇宙生物学研究所を訪れ、体内被ばくの線量を測り、被ばくを確認したと報告しました。
「米と塩と味噌があればいい。恐れる必要はない」と食料危機に対する考え方を披露し、農業に身を投じた経緯を語りました。
宇宙から地球を見たとき、「こんな薄い大気に守られて全ての生物が存在しているのだなと、一つの命の塊に思えて来た」と話し、生態系のなかで人間を見たとき、「人間にとって役に立つかどう」だけでは人知に限界があり、「結果として人間の役に立つ」ことすらわからないと強調。田中正造の「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」と環境問題に取り組む姿勢を示しました。