境港市議選(定数16、立候補18人)が2日告示(9日投票)され、日本共産党の定岡敏行氏(70)=現=と、勇退する松尾好行市議に代わって安田とも子氏(42)=新=が2議席確保をめざして立候補しました。
第一声で定岡候補は「市民の命と暮らしを守る議席」を守ってくださいと訴えました。
高齢者世帯が増え、暮らしと健康への不安が広がっているとして、老々介護の実態を告発。少ない年金でやり繰りしても通院費や物価上昇で生活が困難になったと相談を受け市役所につないだが、国の制度では解決できない問題が多いとのべ、国の社会保障のさらなる改悪を許してはならないと訴えました。
秘密保護法を強行し憲法を変えて国防軍の保持をめざすなど、安倍政権が「戦争できる国づくり」をすすめていることについて、「国政の問題であって市政の問題ではない」と言う主張があるが、市民の行く末と命のかかった、子どもや孫の世代にとって重要な問題であり、国の下請け機関になるか、安倍政権の暴走にストップをかける市政に転換するかが、選挙で問われていると語りました。
島根原発2号機再稼働、3号機新規稼働など、原発推進の安倍政権のもとで、再稼働阻止・原発ゼロのたたかいは正念場を迎えていると指摘。
境港市と市議会の判断が問われているが、原発に対する態度を明らかにしているのは、定岡、安田を含め3候補しかいないと他候補の無責任ぶりを批判しました。
島根原発で事故が起これば、福島よりひどい状態になりかねず、「すべての命を守ることはできない。放射能で汚染されれば、再びもとの大地や海を取り戻すことはできない」と主張。原発を廃止して原発のない日本にすることは、子どもの世代に対する責任だと強調しました。
安田候補は、住民のみなさんから次々と要望が出ているとして、信号機の設置、街灯の設置、側溝の整備、ごみ減量化、市民プールの利用料減免の要望や「労働環境が厳しい」「仕事が少ない」「荒廃農地を何とかして」「飛行機の騒音がひどい」などの声が寄せられていることを紹介。要望実現のために市、県、国に働きかけたいとのべました。
市役所で子育てや生活の相談を受ける仕事をするなかで、「努力が足りない。みんな我慢している」という声も多いが、「本人の努力で解決できないことも、努力の方向がわからないこともある」とのべ、行政の支援の必要性を訴えました。
本人に問題がある、なしに関わらず、困っている人を助けようというのが福祉の精神だと強調し、「ごいっしょに自己責任論を打ち破り、本当に温かい境港、住みよい境港にしていきましょう」と訴えました。
市の財政運営について、市の基金は10年間で約28億円になり、一人当たりでみると米子市の8・5倍だとして、国保税引き下げや住宅リフォーム助成の財源はあると指摘しました。
非正規雇用の改善、雇用拡大とともに、健康増進や子育て支援が重要であり、保健師の増員、保育料の軽減や給食費無償化をと訴えました。
外交問題では、憲法改悪をすすめ靖国神社参拝などで緊張を強める安倍首相に抗議。韓国、中国、ロシアなどと協力、友好関係を築く境港の立場を擁護し、憲法を守って平和外交をしようと呼びかけました。
両候補は、①保育料の第3子以降無料化、小・中学校給食の無償化②国保税1世帯1万円の引き下げ、介護保険の負担軽減③住宅リフォーム助成制度の実施、保健師の増員④原発ゼロ、自然エネルギーへの転換―などを訴えています。