西部地域革新懇は2月11日、米子市で「建国記念の日に考える集い」を開き、安田寿朗弁護士が「『特定秘密保護法』の罠をみやぶり、廃止に追い込もう」をテーマに講演をしました。
安田氏は、「特定秘密保護法の制定に反対する鳥取アピール」の呼びかけ人代表の一人です。
安田氏は、秘密保護法の8つの問題点を指摘しました。
一つは、①政府に都合の悪いものはすべて秘密になる可能性がある②テロリズムの中にデモも含まれる恐れがある③何が秘密かも国民に知らされない―など秘密指定が適正になされる保障がないことです。
二つは、政府の言う第三者機関は権限がなく、秘密指定に対してチェック機能が働かないことです。
三つは、①秘密を漏らす行為、教唆・共謀・扇動行為、秘密に近づく行為と、刑事罰の対象が広い②罪刑法定主義を否定し、何が秘密かわからないままに処罰される―など刑事罰による強制があることです。
四つは、秘密の内容がわからないまま処罰されること、五つは、秘密機関が30年以上という無限定性と不都合な情報の破棄の可能性があること、六つは、適正評価として公安調査庁や公安警察による権限の強化と監視対象の広がりなど、国民の監視体制が構築されること、七つは、取材・報道の自由の配慮条項は、保障がないこと、八つは、2013年の「ツワネ原則」をふまえず、情報公開の国際的流れに反することです。
安田氏は、安倍内閣がこの法律を出してきた狙いは、自民党改憲草案の先取りであり、憲法9条の改定にあると指摘。「集団的自衛権行使」の憲法解釈の変更はその地ならしであると強調しました。
最後に、「戦争ができる国づくり」を狙うこの法律の改廃に向けて、どのように運動に取り組むかを提起しました。
講演後、意見発表が行われ、鳥取県議会で「特定秘密法の慎重な執行を求める意見書」が、米子市議会で「特定秘密保護法の廃止または抜本的改正を求める意見書」が採択された報告などがありました。また、参加者から「美保基地の飛行訓練回数の状況を知らせるよう求めたら、防衛力の分析に関することなので秘密ですと、拒否された」という秘密保護法を先取りするような報告がありました。