認知症の予防や早期受診・早期治療を呼びかける「認知症シンポジウム」が1日、鳥取市で開かれました。
鳥取大学医学部の浦上克哉教授が基調講演し、若年性認知症者や行政、介護関係者を交えてパネルディスカッションをしました。
浦上教授は、462万人の認知症患者に加え、予備軍は400万人もいるが、なにもしなければ2、3年で認知症に移行すると警鐘を鳴らしました。
認知症について①早期診断ができていない②適切な薬物治療ができていない③予防対策がなされていない④若年性認知症対策がなされていないなどの問題点を指摘。特に若年性は現役世代であり、①仕事を続けていくことへの支援②経済的支援が重要だとのべました。
アルツハイマーは、治る病気になりつつあるが、20年~30年とゆっくりと進行して本人が気付くか、認めるまでに中等度まで進行し、薬の効き目が悪くなるため、予防と早期診断・早期治療が肝心だと強調しました。
嗅神経の再生を促せば、記憶をつかさどる海馬の神経細胞の減少を防げるとして開発したアロマオイルを紹介しました(※)。
※ 臭いの認識(何の臭いか)は、過去の記憶に基づいて行われる。臭い刺激を減少させると嗅神経の細胞が縮退し、使われなくなった海馬の神経細胞が減少する。