鳥取県議会で3月13日、日本共産党の市谷知子議員は、安倍政権のすすめる集団的自衛権行使の解釈変更、米軍機低空飛行、自衛隊美保基地への大型輸送ヘリCH47配備、「教育改革」、TPP交渉・「新農政」への反対、東部広域可燃物処理施設広域調整のための知事協議と土地の強制収容、障害者施策・無料低額診療事業の充実、DBSクルーズ支援・「まんが王国」の中止などについて一般質問しました。
市谷議員は、県が国に報告した米軍機低空飛行が苦情として認められず、1月24日の若桜町での低空飛行は、防衛省が米軍に「飛んでいない」と言われて苦情にしなかったと指摘。CH47配備は安倍政権の「戦争できる国づくり」のための軍備増強の一環で、オスプレイ配備の危険もあるとして中止を求めるよう要請しました。
平井伸治知事は、集団的自衛権の憲法解釈は慎重な考慮と検討が必要だと答弁。
米軍機低空飛行への苦情がカウントされなかったことは「まことに遺憾」であり、「相手が米軍であっても政府として毅然と対応していただきたい」と強調。若桜町の件について「飛んでいないと言っているのであれば、改めて調査したい。騒音測定器は中国知事会として国に要望したが、若桜、日南両町とも意思疎通をはかり引き続き求めたい」とのべました。CHヘリは、県側から要望してきたもので災害時対応に必要だとしました。
市谷議員は、政府の「教育改革」は教育の決定権を教育委員会から首長に移し、政治権力による教育への支配と介入をめざすものだと指摘。県の教育協働会議も知事の教育への介入をめざすものだと批判し、土曜授業も競争教育推進であり「まず、子どもの声を聞くべきだ」と忠告しました。
平井知事は「教育改革」に賛同。教育の政治に対する中立性は必要だとのべました。
市谷議員は、農業・農村を破壊するTPP交渉で政府・自民党は選挙で公約した「聖域(重要5品目など)」を譲り、公約違反が明らかになった以上撤退すべきだと主張。「新農政」は、「強い農業」づくりのために米交付金を廃止し、農地中間管理機構に農地を集約し、大規模農業をめざすものだが、米作りの放棄が広がり、単価の高い飼料米もTPPで畜産が壊滅すれば成り立たなくなると批判しました。
平井知事は、TPPで畜産が壊滅すれば飼料米も打撃を受けると認めました。
西山信一農林水産部長は「水田の5割程度が減反で、廃止になる米交付金(10㌃当たり1万5千円)は水田の5割程度しか対象にならなかった。導入される多面的機能支払(同5400円)は、全水田が対象になるので活用してカバーしたい」と答えました。
平井知事は、可燃物処理施設は住民の意見も提出してもらい、中立・公正な立場で意見したいと答えました。
中山貴雄生活環境部長は「施設が市の都市計画に位置付けられただけでは土地収用はできない。県の都市計画事業認可を受けたうえで土地収用法の必要な手続きを得る必要がある」と答えました。
松田佐惠子福祉保健部長は、無料低額診療事業は時代遅れで院外処方の薬代支援はしないとのべ、精神疾患を伴う場合に県の重度障害者居場所対策(デイサービス、ショートステイ、ケアホームなど)が使えない問題で「個人ごとに対応を考えたい」と答えました。
市谷議員は、無料低額診療は「生活保護や国保の使えない人の命綱」になっており、今日的意義があると反論。人口34万人の高知市は院外薬局薬代を支援しているが年間20万円でできているとして検討を要望。障害者特別医療について、無料に戻すことや精神2級も対象にすることを求めました。