鳥取県民医連は6日、米子市で春つどいを開き160人が参加しました。フォトジャーナリストの森住卓氏が記念講演し、福島県民医連の斎藤和衛氏が福島の現状を報告しました。
森住氏は、福島原発事故直後に取材した福島の様子を写真や動画で紹介しました。
福島第1原発の1号機が爆発した翌日の13日、4㌔離れた双葉町の厚生病院前で放射線量を測ったところ、毎時1㍉シーベルト(年間許容量)を超え、3号機が爆発した翌日の15日、58㌔離れた伊達市の布川で毎時100マイクロシーベルトを超えたことを報告しました。
さらに、ベラルーシを取材し、チェルノブイリ原発事故から約28年たつが、ベラルーシ南西部のブレスト州で30~40代の甲状腺がんや乳がんが増えていると指摘。「ソ連の方が日本より人命を重視した。ベラルーシでは人口950万人のうち140万人が医療管理下に置かれ、国家予算の2割を放射能汚染対策に使い、汚染地域(30㌔圏外)の給食は政府が安全なものを保障し、自主避難の場合も住宅、仕事を保障する。酪農はセシウムの入らないバターのみを生産している。日本はチェルノブイリ事故の実践と教訓から学ぶ必要がある」と強調しました。
行政がICRP(国際放射線防護委員会)の年間被ばく許容量100㍉シーベルトを利用して安全だと主張し、ホットスポット(汚染地帯)に住まわせようとしていることで、住民に分断をもたらし、子どもたちを危険にさらしていると警告しました。
空間線量を測るモニタリングポストは、コンクリートとアルミ板で覆われた上に設置されているため、地表からの放射線が遮断され、実際より小さい値になっていると指摘しました。
斎藤氏は、南相馬市で脳卒中発症率が35歳から64歳で3・4倍になり、県全体で13万4000人が避難生活を強いられ、鳥取県の面積の3分の1に当たる土地が住めなくなり、震災関連死が1640人になり、要介護者や自殺者、子どもの肥満が増えていることなど報告しました。
風評被害などでコメの値段が減額するなど農産物が深刻な損害を受けているとのべました。
子どもの甲状腺検査で26万9000人のうちがんの疑いが75人、そのうちがんが33人になり、頻度が多いと指摘しました。今後、30年にわたり検査を継続する必要があるとのべました。