【4月20日付】鳥取市でブナ林シンポジウム  ブナ林を再生しよう

 河合谷高原の森林復元を考える会は3月9日、鳥取市でブナ林シンポジウムを開きました。
 北海道大学の日浦勉教授が「ところ変わればブナかわる」と題して、ブナの形質と機能の地理変異について特別講演。古川郁夫鳥取大学名誉教授が「古代に利用されていた広葉樹林」、農学部学生の下前仁美さんが「扇ノ山におけるブナ稚樹の温暖化実験」と題して一般講演しました。
 河合谷高原におけるブナ林の育苗活動が報告され、ブナ林再生について会場を交えて討論しました。
 日浦氏は、ガラパゴス諸島に生息する鳥フィンチのクチバシが(気象条件によるエサの変化で)数年の間に大きくなり、数年の間に小さくなったことを紹介。「地理変異は、それぞれの場所で進化したかけがえのないもの」だとして、別の場所のブナの種子がもたらす生態系へのかく乱を懸念しました。
 北方のブナは、南方のブナ(落ち葉を微生物が活発に分解)に比べて窒素を有効に使い、水を大量に消費(蒸散)し、葉が薄くてフェノール類が少ないのでイモムシに食べられやすいと話しました。
 下前さんは、実験の結果、光量が多いと総フェノール量は多くなり、葉が厚く硬くなったとのべました。