【4月20日付】鳥取大学が公開講座  空を飛び宇宙へ地球へ帰る

 鳥取大学サイエンス・アカデミー「空を飛び宇宙へ、そして地球に帰る」が12日開かれ、工学部の川添博光教授が講演しました。
 川添教授は、空を飛ぶ原理について揚力の発生するメカニズムを①逆風を斜め下から受ける力(凧)②流れが早くなるほど流れに垂直に働く圧力が下がる(ベルヌーイの定理)③循環―の3点で説明しました。
 ベルヌーイの定理によって、翼の形状により上側が下側より流れが常に早くなる(循環した)状態では、上側の圧力が下がって上に引っ張られるとのべました。循環について、ボールを飛行方向に逆回転(空気の流れに順回転)させると浮き上がる現象がこれに当たると説明しました。
 飛行機が音速を超えるとき、「音の壁」と呼ばれる大きな抵抗が生じ、衝撃波が発生するとのべ、上空1万5千㍍を飛ぶコンコルドの真下の海上に響く衝撃波の「ドーン」という音を披露しました。
 宇宙での推進力は、燃料の燃焼ガスを高速で噴き出した反動で飛び、燃焼後の全重量に対する燃料の重量が大きいほど速度が大きくなると説明。大気圏突入時の空力加熱(高速度の物体が分子にぶつかると運動エネルギーが熱エネルギーに転換される)の防御策についても説明しました。