【6月15日付】鳥取大学生がボランティア報告会 福島を忘れないで

 鳥取大学の男子学生(22)は5月29日、鳥取市でボランティア報告会を開きました。男子学生は、4月29日~5月1日の3日間、福島で全国青年ボランティアの活動に参加しました。
 動機について「13万3千人も家に帰れない避難者がいて、原発事故は収束していないのに再稼働しようとしている。福島は今どうなっているか知りたいと思った」とのべました。
 仮設住宅を回り、聞き取りをした結果、雨漏り・カビ・狭いなど劣悪な居住環境、疎遠な人間関係、不眠・体調悪化、将来不安があることを指摘。十分な補償がなく、「家も土地も買えない」「震災・原発事故で仕事を失ったが、仕事が見つからない」という声や、「政府は帰れというが、家の放射線量が高くて不安」「『お金もらっているでしょう』と言われて分断を感じる」などの声を紹介。避難指示区域の区域分けや補償額によって、住民の中に分断と軋轢がもたらされていることなどを報告しました。
 さらに「問題は噴出し深刻化している。被災者を代弁し、聞いた声を国に届けたい」と話しました。
 参加者は、「放射能を論じることは風評被害を広げる」として、福島の実態を話し合うことがタブー視されるような風潮はよいのか、など議論しました。
 参加した学生(22)は「『美味しんぼ』は、福島が全国的に忘れ去られる中で、思い起こす一石を投じたことは評価できる」と話していました。