えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)は6月29日、鳥取市で「原発事故後の健康不安に向き合う」講演会を開き、保養キャンプの取り組みを交流しました。
さがみ生協病院内科医の牛山元美さんが講演。福島の子どもたちを夏休みに鳥取県に受け入れる保養キャンプに取り組んでいる「とっとり震災支援連絡協議会」の川西清美さん、「風輪」の小林浩子さん、「福島こども保養プロジェクトin大山」の立林真己さんが活動を報告しました。
牛山さんは、神奈川県相模原市でも住民から「子どもが鼻血を異常に出す」「口内炎がひどい」「かぜをひきやすくなった」などの訴えがあり、福島原発事故の2カ月余り後の5月20日、小学校中庭の砂のセシウム137の放射線量を調べると1キロ当たり1360ベクレルあったと報告。鼻血と放射能との因果関係は不明だが、福島市や郡山市と同程度の放射能汚染地帯であるベラルーシのゴメリ州でも、同様の症状が報告されているとのべました。
ゴメリ州では、チェルノブイリ事故発生前の1985年と97年を比べて、子どもの罹患率が「内分泌、代謝及び免疫システム」300倍、「呼吸器疾患」108倍、「消化器系疾患」213倍になるなど、様々な病気が増えて健康な子どもが少なくなっていると指摘しました。
ベラルーシでは、チェルノブイリ原発事故後10年間に、小児甲状腺がんのうちヨウ素過剰で起こる乳頭がんの発症が93・8%と異常に高いとして、事故との関連性を指摘し、現在おとなの甲状腺がんが増え、小児甲状腺がんも発生していることを紹介。福島でも小児甲状腺がんの発症と放射線量との相関性が高いとのべました。
放射線の影響は、10歳以下の子どもに強く、胎児の卵子にも残るため、子どもと若い女性は放射線を避けるべきだと強調しました。
日本政府は、福島以外は「住める地域」を年間5㍉シーベルト(1日中外で0・57マイクロシーベルト)まで、福島は年間20㍉シーベルトまでとし、ダブルスタンダードでおかしいと批判。ベラルーシで5㍉シーベルトを超えれば強制移住の対象になるとのべました。