鳥取大学で6月27日、「春の連続講座」が開かれ、地域学部の山根俊喜教授が安倍政権の教育「改革」について講演しました。
山根氏は、1980年代の臨教審以降の教育「改革」ついて、新自由主義、新国家主義を2本柱に競争原理によるエリート育成、受益者負担主義による公費抑制、規制緩和(株式会社参入)の一方で権威主義的支配を強めるために教員をピラミッド化し、道徳、愛国心、教員の人事考課、不適格教員、教員免許更新制を導入したと指摘。全国学力調査で年収が多いほど好成績だったことなど、矛盾がひろがっていることを紹介しました。
安倍政権のめざす教育は、教育委員会を首長任命の教育長の諮問機関にし、大学運営の権限を学長に集中するなど、国家のための人づくりであり、憲法の生存権・幸福追求権に基づく教育ではないと批判しました。
高校教師をめざす男子学生(21)は、教育課程審議会会長だった三浦朱門氏が〝ゆとり教育〟について「できん者はできんままで結構。できる者を限りなく伸ばすことに労力を振り向ける。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどく言った」と発言したことを聞き、「国の考え方をよく表している」と話していました。