鳥取大学で6月20日、「春の連続講座」が開かれ、男女共同参画推進室の地域学部の星川淑子特命准教授が「男女共同参画とは?」と題して講演しました。
星川氏は「近代社会は男性市民に、私的暴力(家族内暴力)と公的暴力(軍隊)の二つの正当な暴力を与えた。この二つの暴力は相互依存・強化関係がある」とのべました。
戦前の日本について、市民権を男性のみに与え、女性を家庭内で男性の支配下に置いたこと(家制度=家父長制のもとで家族内の問題は法の外に置かれた)と、国家の公的暴力による国民支配は、つながっていて、国家と家父長による支配(暴力)は、補強し合っていたとのべました。
憲法(14条=すべての国民は法の下の平等、24条=婚姻、家庭における男女平等)は、二つの暴力を否定した先進的なものだと評価しました。
しかし、実態は男女雇用機会均等法が成立したにもかかわれず、女性は社会で対等に扱われず、家事、育児、介護の責任を一手に負い、社会的関係を閉ざされていると指摘しました。
人間にとって社会的労働は、家族を超えて社会とつながり、人とのつながりを再構築する最も有効な手立てであり、女性に仕事を保障するために、企業社会(労働者の生活権を奪い、労働者全体に劣悪な労働を強いる)を変革し「男女が共に働き生きる社会」の実現をと訴えました。