鳥取市「9条の会」は17日、日本体育学会前会長で立正大学社会福祉学部教授の西山哲郎氏を招いて講演会を開き約80人が参加しました。
西山氏は、「スポーツは人類の平和に貢献できるか」と題して講演し、スポーツの本質は人間の生存活動にあり、生きる喜びと結びついていて、いっしょに体を動かす心地よさを共有することで友好的な関係をつくることができると訴えました。
人類は、250万年前頃からゆっくり走る持久狩猟(獲物は発汗できず熱中症になる)を身に付けて肉食化し、狩猟中に走りながら対話し考えることで脳が肥大化したと指摘。スポーツの起源はこのような活動にあり、自主的運営、ルール作り、問題解決のうえで、どうしたらいいか共通認識をつくる対話が重要だと強調しました。
資本主義の発達とともに、市民が楽しむことが原点だったスポーツに競争原理、能力主義が持ち込まれ、勝つことが目的化し、人間の尊厳保持と平和な社会の推進を目標としてきたオリンピックが戦争と政治(国威発揚)に利用されるようになったが、東京オリンピックを控え、「原点に返るために私たちは何をしたらいいか」と問題提起しました。