【9月14日付】鳥取県が中山間地域振興セミナー 地産地消で地域振興を

鳥取県は3日、大山町で中山間地域振興セミナーを開きました。島根県中山間地域研究センター主席研究員の有田昭一郎氏が講演し、地産地消で経済を循環させることで、地域のなかに新しい所得源を生みだせると強調しました。
 有田氏は、約1500人のある集落を調査した結果、1年に全世帯で食料に約1億5800万円(1世帯51万円)、燃料に約2600万円支出し、そのうち地元産食品への支出は14%、地元産燃料はなかったと報告。地元産の割合を10%増やせば2800万円(6世帯分の生活費)、50%にすれば4600万円(15世帯分の生活費)の所得を生み出せ、食料品店、木の燃料屋など新たな生業を生みだせると指摘しました。
 集落営農や高齢者福祉の担い手不足、食料品店、ガソリンスタンド、新聞販売店の撤退などで生活機能が維持できなくなった過疎地で、地域運営組織をつくり、複合経営、地産地消の推進、直接払い制度・補助金活用で、生活機能を住民ぐるみで支え、若い世帯の仕事や定住につなげている例を紹介しました。
 鳥取環境大学の倉持裕彌准教授、西部総合事務所・地域づくりサポーターの岡田美樹氏が県内の取り組みを報告しました。