鳥取市の「市庁舎新築移転を問う市民の会」など2団体は13日、市内で講演会を開き約240人が参加しました。鳥取大学地域学部の藤田安一教授が市の財政状況と今後の課題について講演し、市が国の財政措置をあてにして中核市をめざし、大型公共事業を続ければ、市民生活は困窮すると強調しました。
藤田氏は、国が地方交付税削減をすすめるもとで「財政問題の解決のために」と9市町村が合併したが、市民サービスは削減され、市民負担は増大したとして、住民税、固定資産税、国保料、保育料の負担増、支所職員数が合併前の21%になったことなど紹介。
市の財政はこの先、アベノミクスや合併特例債による公共事業推進で、財政支出が膨れ上がる一方、合併特例が切れて地方交付税が57億円も減額となると指摘しました。
今後50年間で公共施設の建て替えや大規模改修に毎年65億円かかり、道路、橋などのインフラが更新の時期を迎えており、市庁舎問題(耐震改修か新築か)も全体の中でみる必要があるとして、「何を残し、何を削るか」市民の意向を重視すべきだと主張しました。
鳥取市が中核市になれば、2千もの仕事が県から譲渡され、財政も職員もいるが、自前で賄うことになるだとうと話しました。
八村輝夫会長は「国は財政難のうえ、東北の復興、原発の事故処理もあり、消費税を上げようとしている。国をあてにして、これ以上ハコモノをつくって市の財政は大丈夫か」と問題提起しました。