鳥取市の深沢義彦市長は9月26日、市役所本庁舎の市立病院跡地への新築移転に向け、位置条例と関連予算を提案しました。
本庁舎の位置を変更するための位置条例制定には、出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。
新築移転か耐震改修かを巡って12年5月に住民投票がおこなわれ、耐震改修が6割を占めました。
ところが、当時の竹内功市長は、執行責任を果たさず、耐震改修案の検証を議会に求め、新築移転派が多数の議会は、原案通りにはできないと結論づけました。
今月19日の市議会特別委員会は、新築移転に賛成と反対が同数となり、委員長裁決で新築移転方針を決定しました。
日本共産党市議団の角谷敏男団長は、鳥取市議選(11月9日告示、16日投票)を前に決着を図ろうとするもので予断を許さない状況だとして「新築移転は住民投票を無視するもの。議会最終日の6日に採決されますが、36人の議員の中で3分の1以上の13人が反対しています。13人の議員を激励し、位置条例を否決させましょう」と呼びかけています。
そもそも、「耐震改修が原案通りできない(費用がもっとかかる)」から住民投票は無視してよい、という新築移転派の議論は成り立ちません。原案に市民の合意はなく、市当局には、市民にはかった上で市民が納得する耐震改修をすすめる責任があるからです。
角谷議員は住民投票前、耐震改修原案に市民の合意はないとして「住民投票後、意見募集し、市民の声を聞いて見直す」ことを提案。全会一致で決めましたが、実行されていません。
市議会が実施した今年8月の報告会でも「住民投票通り耐震改修を。市議会は、金額を含めて、市民にはかって了解を得る努力をしてほしい」との声があがっています。
委員会で新築移転に反対した日本共産党の伊藤幾子議員は「住民投票で、市民は耐震改修を選択しました。4月の市長選でも、耐震改修を訴えた2候補の得票が、深沢市長の票を上回りました。新築移転も、そのための多数派工作も道理がないことは明らかです」と話します。