鳥取大学は9月27日、鳥取市で公開講座「サイエンスアカデミー」を開き、医学部付属病院で医療相談をしている認定遺伝カウンセラーの中川奈保子助教が、遺伝の仕組みや家系図による健康管理について講演しました。
中川さんは、細胞には23本の染色体が1対あり、性染色体によってXYが男性、XXが女性と遺伝学上の性別が決まる、遺伝情報を伝えるDNAはA、T、G、Cの四つの塩基が並んだ2重らせん構造で、染色体はDNAがヒストンに凝集したもの、遺伝子はDNAのATGから始まる塩基配列の体の設計図の情報を担う部分、遺伝子以外のDNAは多様性にかかわっていると説明。
中川さんは、病気には遺伝要因が100%のものから0%のものまであり、多くは「なりやすい体質」の遺伝要因に環境要因が重なる多因子病だと指摘。がん、糖尿病、高血圧、肥満や体質などは多因子病で、遺伝子検査は白血球を使い、採血や唾液、口内粘膜の採取でできるとのべました。
家系図の描き方を実演し、誰がいつどんな病気をしたか、性格や得意なことなどを書き込めば、未来が予測できると語りました。