【11月30日付】鳥取市がリノベーションスクール リノベーションで仕事を作る

 鳥取市は22~24日、空き家・空き店舗を大規模改修して用途や機能を変更して再生するリノベーションスクール@鳥取を開きました。22日のオープニングで講演した北九州家守舎の嶋田洋平代表は、「再開発せずにリノベーションで若者に仕事を」と訴えました。
 建築会社社長の嶋田さんは、カフェのオーナーと2人の大学の先生の4人で北九州家守舎を設立し、家守舎と北九州市と不動産オーナーの3者で小倉を舞台にまちづくりをすすめています。
 家守とは、江戸時代の長屋の管理人(大家)のこと。嶋田さんは「江戸時代は、約60万人の町民に対して公務員(武士・与力・同心)は300人しかいなかったが、家守が約2万人いて、家賃を集めてその一部を収入にして、御触れの案内、就職、冠婚葬祭の世話、いざこざの解決をしていた」と、町民が行政に頼らずにまちの維持管理をしていたことを紹介しました。
 空洞化した商店街を蘇らせるために、現代版「家守」が必要だと事業を始め、不動産オーナーと事業オーナーを仲介し、補助金に頼らずに、リノベーションして低家賃で店舗を提供。起業支援して次世代を担う若い世代と事業を育成していることを報告しました。


  ビルは壊さず再利用し若者に安く提供


 小倉魚町の商店街に位置する中屋ビルは、「ビルを解体して新築してもテナントが入りそうにない」と考えて、家守舎に頼んでリノベーションして低家賃で若いクリエーター(服飾、雑貨、家具、カフェなど)に貸して企業支援(新製品開発、販路開拓、企業法務、制度融資など)しようとオーナーが考えました。
 家守舎がオーナーから月5万円で借り、10店舗が家賃3万円で1階に入居。年間360万円の家賃収入から家賃支払いの60万円を引き、300万円の利益がでます。リノベーションした家守舎とオーナーが100万円ずつ取り、100万円を再投資の資金にします。
 2階は、小分けして1デスク月1万円で貸し出したところ、70人の応募がありました。家で創作活動をしていた女性らが主でした。
 商店街の人たちが、アーケード撤去で生じた借金を返すために、家守舎が協力して、道路を公園・緑化して〝広場〟として立体化し、〝広場〟を管理するまちづくり会社(道路の保守・管理、不動産業、宅配、販売促進共同事業、商業施設の運営、イベント企画など)を設立。家守舎は、コンテナ貸店舗を開業し、シェフ(将来的に空き店舗を活用して開業予定)を招き入れて経営者として育成しています。