【11月30日付】民団など在日コリアンシンポ ヘイトスピーチは生存権の否定

 在日コリアンシンポジウム(県委託事業)が15日、鳥取市で開かれ、ヘイトスピーチをどう克服するか話し合われました。
 俳優の黒田福美さんが基調講演し、民団中央本部の徐元喆組織局長がヘイトスピーチの現況について報告。
 弁護士の師岡康子氏は、ヘイトスピーチを「歴史的、構造的に差別されてきた人種、民族などマイノリティー(集団・個人)に対する、その属性を理由とする差別扇動表現」と定義し、人種差別の一つの形であり、「表現の自由の乱用」だとして、人種差別撤廃条約第4条に基づき(人種差別禁止法等で)根絶する義務を課せられていると強調しました。
 日本に対し、国際人権基準の立場から①国の行ってきた差別(朝鮮を植民地支配、戦後も差別をし続けてきた)を生じさせ、永続化させる法制度の洗い直し②差別の実態調査③平等な人権を保障する法制度(地方参政権など)④人種差別禁止法の制定⑤ヘイトクライム(差別犯罪)、ヘイトスピーチの禁止⑥人種差別撤廃教育⑦国内人権機関⑧個人通報制度(人権侵害を国連の自由権規約委員会に訴える制度。日本は批准していない)などを勧告されているが、何一つしていないと指摘しました。
  新しい民族差別
 民団鳥取県地方本部の薛幸夫団長は当事者として「生存権の否定」だと告発。駐神戸大韓民国総領事館総領事の李成権氏は、「韓国のデモは権力者に対してであり、特定の民族に対するものはない」とのべました。
 ジャーナリストの田中宏氏は、「〝韓国は怖い〟という事実に反するイメージが日本国内で勝手につくられている」として、ヘイトスピーチは①暴力そのもの②民族差別のリニューアル③弱者を見下すことで自我を保つ集団―と糾弾しました。
 他に徳島大学准教授の樋口直人氏、一橋大学名誉教授の田中宏氏が発言しました。