アディクション(依存症)・フォーラムin鳥取が16日、鳥取市で開かれました(鳥取アディクション連絡会と日本嗜癖行動学会が主催)。慈圭病院院長の堀 井茂男氏がアルコール依存症、家族機能研究所代表の斎藤学氏が「脳と心、症状と治療」について講演し、当事者、家族、関係者が体験発表しました。
堀井氏は、アルコール依存は薬物依存の中で、本人への害と周囲への影響が飛びぬけて高いとのべ、不適切な飲酒による社会的損失(健康寿命の短縮、医療費、仕事に支障)は年間4兆1千億円で、酒税の3倍になると指摘しました。
国内のアルコール依存症者は100万人、予備軍は3~400万人で、治療中は依存症者の5%にすぎず、発がん、脳の委縮、意識障害、幻覚、妄想、肝硬変、うつ病を併発すると警告。若年者の自殺が減っていないとして、「飲酒をやめないとうつ病は治らない」と指摘しました。
依存症は、薬物を断ちつづけるしか回復・社会復帰の方法がなく、断酒会や家族の会などの活動が決定的だと強調しました。