【2月8日付】県革新懇が地方政治フォーラム 安倍「地方創生」に抗し地方再生を

鳥取県革新懇は1月31日、鳥取市で「地方政治を考えるフォーラム」を開き110人が参加しました。鳥取大学地域学部の藤田安一教授が基調講演をおこない、安倍「地方創生」に抗して地方再生をと呼びかけました。

 基調講演につづき、日本共産党の市谷知子県議、無所属の長谷川稔県議、地域政党鳥取ルネサスの足田晃代表が特別発言に立ち、参加者と意見交換しました。


 藤田氏は、安倍政権の「地方創生」はアベノミクスの成長戦略の中に位置づけられ、政権維持の手段になっているが、大きな矛盾を抱えていると指摘しました。


 「地方創生」の①長期ビジョンで1億人程度の人口を維持し、②総合戦略(5年計画)で新規就農者への給付金、地域おこし協力隊の拡充、特産品の開発・販路拡大、観光振興などで、地方での若者の雇用創出と定着(東京圏への移住6万人減)、東京圏からの移住(4万人増)をすすめ、地方の人口を持続しようとしていると指摘しました。


 しかし、その一方で中核都市に資源を集中させて周辺部を衰退させ、生活基盤の社会保障を後退させ、TPP(環太平洋連携協定)で農業と地方経済を破壊し、消費税・外形標準課税増税で地方経済を支える中小企業を弱体化させ、リニア新幹線や国際ビジネス都市化で東京、名古屋、大阪、福岡に重点投資し、大都会への一極集中をすすめ、地方の衰退に拍車をかけることになると警告しました。

地域資源活用し若者の雇用創出

 地方再生の事例として岡山県西粟倉村を紹介しました。村は、森林所有者との間で森林組合(施業を作業班、林業事業者、土建業者が下請け、素材販売)に委託して道を付けて間伐する10年契約を交わし、ファンドで資金調達(機械購入・リース)し、移住者に家賃2万円で家を提供。森の学校(床や壁など部材供給)、木薫(林業、製材・加工、遊具・家具製作)、ようび(机、椅子)など間伐材を利用する新会社が設立し、50人の若者が移住し活気づいているとのべました。


 用瀬町別府地区の住民は、小水力発電所の売電収入によって街灯など地域のインフラを整備し、人口が増えていることを紹介し、今後の課題として少子化対策、雇用の創出を求めました。


 市谷県議は、赤字経営が好転する見込みのない韓国の貨客船DBSクルーズへ6億円以上をつぎ込み、経済効果も乏しい「まんが王国」へ15億円以上をつぎ込むなどの無駄づかいを批判。莫大な補助金・支援を前提にしたサンヨーなどの企業呼び込み型政策の破綻を指摘し、450億円の貯め込み金を使っての障害者、低所得者への支援、国保料負担の軽減など県民生活への支援を訴えました。


 元県職員の足田氏は、県の目標設定がいびつだとして、「地方創生」の優等生になるより、県民生活が少しでもよくなることを考えるべきであり、県教育委員会は知事に約束した目標の達成よりも子どものことを考えるべきだと指摘しました。


 長谷川県議は、安倍政権が沖縄の民意を無視して辺野古米軍新基地の建設を強行していること、大企業を減税し社会保障を切り崩し、消費税など大衆課税を強化していることを批判。県について、県職員の人件費カット、指定管理者制度などで基金を増してきたと指摘し、中山間地域の保育料無料化を評価、中電の原発再稼働は30㌔圏内の自治体の同意を条件とすべきだと主張しました。