市民共同発電所設置事業に取り組む「市民エネルギーとっとり」(手塚智子代表)は1日、鳥取市で「とっとり市民発電所フォーラム」を開きました。手塚代表は、地域でエネルギーを自給し、持続可能な地域社会をつくろうと呼びかけました。
NPO法人気候ネットワーク主任研究員の豊田陽介氏が講演し、一般社団法人徳島地域エネルギーの豊岡和美事務局長、NPO法人エコプランふくいの吉川守秋事務局長、手塚代表が取り組みを報告。「市民エネルギーとっとり」の藤田充副代表のコーディネートでパネルディスカッションしました。
豊田氏は、地球温暖化を防止するために二酸化炭素の大幅な削減が必要だとして、再生可能エネルギーへの転換を訴え、木質燃料、家畜ふん尿、風力、小水力によるエネルギー自給の事例=北海道下川町(公共施設の暖房の6割が木質燃料で削減された1600万円で子育て支援)、岩手県葛巻町(第3セクターの畜産開発公社、公共の宿、ワイン工場、森林組合が集成材、薪を販売、寄付や企業出資で森林整備、風力発電、畜産・木質バイオマス発電)、西粟倉村(小水力発電の更新、薪・丸太ボイラー)、高知県梼原町=を紹介しました。
エネルギーを地産して地産品で返す
さらに各地の市民共同発電所を紹介し、福島農民連が未利用地を活用した市民共同発電所「ミドルクラスソーラー」を県内各地に広げていることを報告しました。市民共同発電所は国内で約600基になるが、ドイツの約1万基に比べると少なく、どんどんつくることが大事だが、太陽光発電の買い取り価格が下がり、採算性を考える必要が出て来たと指摘しました。
豊岡氏は、佐那河内村の風力・小水力・太陽光発電(売電収入を集落排水のポンプ代などに還元)と農業振興、牟岐町の太陽光発電、小型チップボイラーのリース事業(ハウス農家など)を報告。吉川氏は、市民共同発電所、LED設置による節電事業、太陽光パネル架台への県産杉使用について報告しました。
手塚氏は、空山ポニー発電所の設置や、鳥取県畜産農業協同組合の屋根や県有地を利用した発電事業の計画を発表し、出資者に県産品で返済して売電収入を地域で循環させる仕組みにしたいとのべました。