鳥取県弁護士会は7日、元日弁連会長の宇都宮健児氏を招いて米子市でブラック企業問題講演会を開きました。宇都宮氏が、広がる貧困と労働問題について基調講演。日弁連貧困問題対策本部の小川英郎事務局次長、県西部労連の山本喜一議長、宇都宮氏がパネリストになり「ブラック企業問題の現状と対策」について討論しました。
宇都宮氏は、多重債務や貧困問題の解決に取り組み、2010年に上限利息を20%とする出資法改正を契機に年間自殺者が2万人台になったと報告。11年まで14年間連続で自殺者が3万人を超えた背景に失業、傷病、生活苦などの問題があることを指摘し、今後いっそう社会保障が脆弱化し、働く貧困層が広がると警告しました。
また、労働者の38%が非正規、子どもの貧困率16・3%、貯蓄ゼロ世帯が31%、労働者の収入減など貧困が広がる一方で、株主配当額、役員報酬額、企業の内部留保は激増し、富裕層・大企業課税強化による富の再分配、人間らしい労働と生活を守る運動と法整備が必要だと強調しました。
各パネリストは、違法な労働の事例を検証し、ブラック企業を広げる残業代ゼロ法案など安倍政権の労働法制改悪を批判しました。