全日本年金者組合鳥取県本部の組合員ら24人が2月17日に鳥取地裁に提訴した「年金引き下げ違憲訴訟」で、12日に開かれる予定だった第1回口頭弁論が、国の嫌がらせによってできなくなっています。厚生労働省が5月21日、鳥取地裁に対して本件訴訟の広島地方裁判所への移送を申し立てたためです。同様の申し立ては徳島地裁にも出されています。
国は行政訴訟法12条4項をたてに、国を被告とする取り消し訴訟は、原告の所在地を管轄する高等裁判所がある地方裁判所にも提起できるとして、広島地裁への移送を主張しています。
原告団24人はいずれも鳥取県内に住んでおり、仮に広島地裁への移送が決まると、口頭弁論のつど広島へ行かなくてはなりません。高齢の原告らが広島へ移動するのは、体力的にも財政的にも大変な困難を抱えることになります。
国の移送申し立ては、憲法32条の「裁判を受ける権利」を侵害するものだとして、原告団は、鳥取・徳島両地裁に対して申し立ての却下を求め、全国的な支援を呼びかけています。