非核平和都市宣言推進鳥取市実行委員会は11日、長崎の被爆者の山田一美さん(81)を招いて講演会を開きました。
深沢義彦市長は「被爆体験が風化しつつある今、実体験を知り、継承し、唯一の被爆国の国民として核兵器廃絶を世界に訴えなければならない」とあいさつしました。
山田氏は、小学6年生のとき、爆心地から北に2・3㌔地点で被爆しました。山影にいたために熱線の直撃を避けられましたが、近くにいた大人はシャツが燃え、近所の堤で泳いでいた友人は大やけどを負い、1週間後に亡くなりました。
住んでいた祖母の家は潰れ、市内から逃げてくるけが人の列は一晩中つづきました。ハエが黒だかりした死体や目が飛び出した人に会ったこと、けがをしていない人がコロコロ死ぬので新型爆弾のガスのせいだと噂されたことなど話しました。また、原爆で長崎市の3割の人が死に、3割の人が負傷したことを紹介しました。
会場から、憲法9条が危ないが、平和をどうしたら守れるのかという質問が出ました。
山田氏は「日本政府を核兵器禁止条約に前向きな政府に変えてほしい。戦争をしないと決めているのだから、人の戦争まで買って出ることは、しない方がいい」と答えました。