安全保障関連法案に反対する岩美町民の会は9日、岩美町で講演会を開き、約30人が参加しました。
日出嶋香代子町議が経過を報告し、「署名活動で法案の中身を町民に知らせて廃案にするまでがんばろう」と呼びかけました。
同会は7月21日に35人の呼びかけ人によって結成されました。戦争法案反対の署名は、800人を超えて集まっています。
「安保法制」に反対する憲法研究者・全国出前講師団の長岡徹関西学院大学教授(憲法学)が講演しました。
長岡氏は、自衛権行使の3要件が武力行使の3要件に変えられ、存立危機事態(他国に対する武力攻撃によって、我が国の存立が脅かされる危険が生じる事態)で武力行使が可能になると指摘。存立危機事態とは別に、我が国の平和に重要な影響を与える重要影響事態で米軍等の兵站、国際平和共同対処事態で国連が容認する有志連合等の兵站が可能になると説明しました。
自衛隊の活動は、非戦闘地域での後方地域支援から、戦闘現場以外の後方支援=兵站になると指摘。日本の防衛と無関係な戦争に自衛隊を参戦させる法案だと強調しました。
PKO法改定で安全確保業務が加わり、部族間闘争に介入して住民を守ることや、国連が統治しない国連連携平和安全活動で国際治安支援部隊(ISAF)等への参加が可能になり、海外での自衛隊の武器使用=武力行使が行われることになるとのべました。
署名活動で、少数ながら「軍事力を持たんと攻められる」「憲法は時代遅れだから無視してよい」「中国が攻めてきたらどうするか」などの意見があり、どう話したらいいかなど質問が出ました。
長岡氏は、自衛隊が日本を守るための法律ではなく、米軍の兵站をするための法律で、「経済的に中国と日米は緊密で戦争できない」「領土問題などは、話し合いで解決できる」と指摘しました。