鳥取市の「開かれた市政をつくる市民の会」(八村輝夫会長)は10月25日、鳥取市で講演会を開き、110人が参加しました。鳥取大学の藤田安一教授が「鳥取市の中核市移行と市庁舎問題」について講演しました。
藤田氏は、中核市への移行に伴い県から2211の権限が移譲され、その半数を保健所の業務が占め、4町(岩美、八頭、若桜、智頭)の保健業務も委託されると説明。
保健所設置の問題点について①専門職員(医師、保健師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師など)の確保②財源の確保③市民サービス低下―への懸念を指摘しました。
地方自治発展には、権限移譲に対する財源移譲と市民参加が必要だが、担保されていないとして「県試算で歳出16億円に対し、歳入は普通交付税、国庫支出金は不明で、国庫支出金の市負担分4分の1が2分の1と2倍になり、隣保館、重度訪問介護、生活保護の市の負担が約1億4千万円増える。明らかになっているのは手数料収入など2750万円だけ。国は交付税を削減してきており、国の財源はあてにできない」とのべ、市民負担増・サービス低下を懸念しました。
市庁舎建設費も当初の65億円から100億円になったと指摘しました。
国は中核市への権限移譲などで県の存在意義を低下させ、道州制に導こうとしているとのべ、「市は市民の犠牲の上に成り立つ大きな権限より、市民の幸福を考えるべきだ」と強調しました。
新市庁舎建設差し止め訴訟原告団の「鳥取の未来を次世代につなぐ会」の石上晋一事務局長は、住民投票結果(市庁舎耐震改修)を反故にして移転新築するのは不当だとして支援を訴えました。