鳥取大学地域学部は10月24日、鳥取市で地域づくりセミナーを開催し、澤田廉路特命准教授が「『地方創生』から『地域経営』へ」と題して講演し、智頭町の取り組みを紹介しました。
郵政民営化まで続いた郵便局のひまわりシステム(サービス)は、役場、農協、病院の協力を得て独居のお年寄りの生活用品などの受注・配達、安否確認、話し相手などの福祉サービスをおこない、全国に広がりました。
住民グループが始めた「ゼロ分の1村おこし運動」は、交流・情報、住民自治、地域経営の3本柱で村資源(種)を発掘し、魅力ある村・地域づくりをする運動で、町のソフト事業(10年間で300万円助成)として採用され、87集落中の16集落に広がり、現在は、町全体の6地区の地区振興協議会で同事業(10年間で600万円)が取り組まれています。
ゼロイチ運動(公民館新築・自治会の結成、人形浄瑠璃など伝統文化の保存・伝承、喫茶・宿泊施設経営、カルチャー講座、市民生協との交流、地蔵祭りの集落外への開放、県境での朝市、大麻栽培、特産品づくり)によって移住者が増えて地域が維持され、保守性・閉鎖性・有力者支配が打破されました。
澤田氏は「その場所が魅力的だから人が来る。仕事はその次の問題」として、森のようちえんがあり、清浄な空気と水がある智頭に天然酵母パンの店「タルマーリー」が移転してきたと話しました。