11月22日、鳥取県の日南町に伺い、林業の現地調査と林業関係者のつどいに参加しました。調査は、伐採現場、木材加工工場、そして、町産材100%使用の木材建築物である町役場に伺いました。37年間〝都会〟で育ってきた私にとって、森林にふれるのは、たまに行く山登りのときくらいだったものですから、現場でお聞きした関係者のみなさんのお話は、はじめて見聞きすることばかり、衝撃の連続でした。
森林は、単なる木材の供給だけではなく、国土と環境の保全や水資源の涵養のために、なくてはならない役割をはたしているとともに、良好な景観の形成、レクリエーションの場の提供など、国民生活を多岐にわたって土台から支えているということ、そして、そうした森林の形成は、一朝一夕でできるものではなく、50年、100年という壮大な事業であるということを、あらためて知りました。
その一方で、木材価格の安さ、TPPによる合板や集成材の関税撤廃、また、地域の高齢化や人口減少に伴う森林組合や林業従事者の慢性的な人手不足など、林業事業者、森林所有者のみなさんをとりまくたいへん深刻な実態があることも知りました。伐採や丸太の運搬は非常に危険な重労働であり、死亡事故が発生していることなどもお聞きしました。
「林業とは、中山間地の多い中国地方の重要な課題であり、また、この分野でも安倍政権の暴走との正面対決が求められている、そのことをしっかり自覚して今後とりくんでいかなければならない」――つどい会場で販売されていた地元産の白菜とぎんなんをお土産に買い、夕方6時前にはもう真っ暗な日南町をあとにしながら、「特急やくも」の車内で、あらためてそんな決意をかためました。