厚生労働省は11月22日、鳥取市で過労死防止対策のシンポジウムを開きました。
鳥取大学医学部・精神科医師の杉江拓也氏が基調講演し、高橋真一弁護士が過労死等防止対策推進法と大綱について説明。全国過労死家族の会兵庫県代表の西垣迪世さんが体験談を発表しました。
杉江氏は、7人に1人はうつ病にかかり、管理側が早めに対応することが必要だとして、個人のストレスを組織レベルで解消するよう求めました。
うつ病になりやすいタイプは、几帳面、完璧主義、真正直(メランコリー親和型)、頑張り屋で自分の中に閉じこもる(執着気質)などがあり、周りの気遣いが必要で相談できる雰囲気が大事だとのべました。
そのうえで①治療を受ける(薬と休養)②回復初期が要注意③焦らない④職場復帰は緩やかに⑤良くなってもすぐに薬をやめない―など留意点を指摘しました。
西垣さんは、IT関連で働いていた息子の死について、背景に企業の利潤追求があると指摘。職場のほとんどの人がうつ病で増員もなく、完治していないのに過重労働が課せられ、一人で納期に間に合わせようとしていたと報告し、企業社会のあり方を告発しました。