日本共産党の遠藤ひでかず参院鳥取・島根選挙区予定候補、民青同盟の岩永陽鳥取県委員長、村上万里島根県委員長が新春の鼎談をしました。以下は要旨です。
岩永・村上 明けましておめでとうございます。
遠藤 明けましておめでとうございます。
村上 遠藤さんは、昨年、候補者として山陰両県を駆け回り、両県民の切実な願いを聞くとともに、戦争法廃止、国民連合政府実現の先頭に立って訴えてこられましたね。
遠藤 昨年は、鳥取と島根を駆け巡る中で、多くの方から「戦争法の強行は本当に許せない」「憲法を無視する安倍政権の独裁政治に、これから日本はどうなっていくのか」など、怒りや不安の声が寄せられました。
「アベ政治を変えてほしい」という願いが山陰両県にも強くあることを実感しています。戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻す「戦争法廃止の国民連合政府」の提案こそが、安倍政権に代わる最も現実的な政権構想だと思います。
引き続き、政党や団体、個人と力をあわせて国民連合政府の実現のために全力を尽くしたいと思います。
岩永 国立大学の学費が15年で40万円上がり93万円になるとの文部科学省の試算が発表されました。学費無償化こそ世界の流れで、逆行しています。また、学生の53%が借りている奨学金は、1000万円近くを借りている人もあり、将来への大きな負担になっています。学費値下げ、奨学金の返還免除や負担軽減が急がれていると思います。
遠藤 高校卒業から大学卒業までかかる費用は1人平均1000万円を超えます。学費負担の軽減は急務です。世界では大学への進学率が上がる中でも学費無償を維持したり、学費を徴収したとしても奨学金とセットで学生を支援するというのが、政治の当たり前の姿です。
日本には、もっと大学予算を増やし、大学の教育・研究への支援や給付奨学金創設など奨学金制度の充実、学費の軽減をはかる経済力はあります。政治の姿勢こそが問われています。
岩永 今度の参院陰では、TPPの問題も大きな争点になりすね。鳥取県でも都会から若者が移住して、農業や林業をするケースが増えています。農林水産業を衰退させるTPPは、若者の移住にも影響を与えます。
遠藤 TPP大筋合意は、国会決議で「聖域」とした農産物重要5項目の3割で関税が撤廃され、農業と地域経済に重大な影響を与えます。TPPから撤退すべきです。
大山乳業の幅田信一郎組合長は、懇談で酪農への影響はもちろん、農業や林業など様々な分野への影響を危惧しておられました。
若者の定住をすすめるためには、安定した雇用と、保育料や子どもの医療費助成など子育ての経済的負担の軽減が欠かせません。
村上 民青同盟はブラックバイト・ブラック企業の根絶をめざして活動しています。高い学費と生活費を稼ぐために、ブラックでもやめられないという現状があります。
遠藤 ブラック企業の問題は、政府が財界・大企業の要望にこたえ、労働法制の規制緩和をすすめてきた結果です。働く人を「使い捨て」にする社会は、若者から希望を奪い、貧困と格差を広げ、日本社会から活力を奪っています。いま必要なことは、「人間らしく働けるルール」の確立です。
岩永 再来年の消費税10%へむけ、自民党と公明党が軽減税率の導入を決めました。これを足掛かりに次は15%にするなど、さらなる増税が心配です。
遠藤 安倍政権の経済政策で大企業の利益は増え続けているのに、賃金にも雇用にも回っていません。
消費税を増税し、大企業に減税すれば、国民の暮らしを破壊し、大企業のため込みを増やすだけです。
消費税に頼らずに財源を確保するためには、富裕層や大企業への優遇を改め、「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革をすすめること、大企業の内部留保の一部を活用し、国民の所得を増やす経済改革で税収を増やすことです。
賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直すことができれば、働く人の所得を増やし、消費を活発にし、内需を増やし、企業活動も活性化させて、健全な経済成長への好循環をつくり出せます。
村上 東日本大震災から5年目を迎えようとしています。福島原発事故は、原発が人類と共存できないことを示したと思います。山陰にも島根原発があり、中国電力が3号機の新規稼働、2号機の再稼働をねらっていますね。
遠藤 原発の技術はもともと安全性の保証がありません。原発を運転すれば、危険な使用済みの核燃料がたまり続けます。地震や津波による事故の危険も高い原発は再稼働させるべきではありません。
太陽光、小水力、風力、地熱、バイオマスエネルギーなどは、地域固有のエネルギー源です。この再生可能エネルギーの活用を地元の中小企業の仕事や雇用に結びつくようにすれば、地域経済の活性化に繋がります。
ドイツでは原発で働く人は3万人ですが、再生可能エネルギーの分野で働く人は38万人です。再生可能エネルギーには大きな雇用効果があります。
岩永 民青同盟は18歳選挙権の実施を受け、県や市の選管に、大学や高校に投票所を設置するよう申し入れ、鳥取大学と鳥取環境大学で期日前投票が決まりました。18歳選挙権の実施にあたり、若者への期待をお聞かせください。
遠藤 選挙年齢が18歳以上に変わることは、若者の声が政治に反映され、議会制民主主義の発展につながります。18歳以上の若者は、労働や納税などの義務を負っており、選挙権を保障するのは当然のことです。未来は若者のものです。低賃金や雇用破壊、長時間労働、高学費の問題など、それぞれの思いを選挙で投じてほしいと思います。
村上 来年夏の参院選への抱負をお聞かせください。
遠藤 今度の参院選は、「戦争法廃止の国民連合政府」の実現にとって重要な第一歩となる選挙です。憲法違反の戦争法を強行した安倍政権と自民・公明党に退場の審判を下し、自民・公明党を参議院で少数派に転落させる選挙にしたいと思います。
あわせて、日本共産党がさらに躍進することが「国民連合政府」実現への大きな力になります。比例代表で850万票以上、8人以上の当選へ全力を尽くす決意です。