【2月21日付】 科学者会議がTPP学習会 ― 秘密交渉はやめよ

 日本科学者会議鳥取支部は10日、鳥取市でTPP(環太平洋連携協定)の学習会を開きました。鳥取大学農学部の小林一教授が講演し、TPPの秘密交渉をやめてオープンに議論することや農業者本位の農政への転換を訴えました。


 小林氏は、2012年で日本の貿易依存度は14・7%、米国は13・6%と日米は内需依存型の経済であり、日米の経済の落ち込みはTPPで自由貿易を拡大することでは解決しないと指摘しました。


 日本も生産拠点の海外移転がすすみ、長期債務残高はGDPの2倍になり、構造的な貿易赤字となって米国と同様の問題を抱えているとのべました。


 日本にとってTPPの経済的なメリットはほとんどなく、安倍政権はTPP対策を前提として農産物の生産減少額を試算しているが、農業予算は増えず、詐欺的手法だと批判。米の直接支払い金の廃止、経営所得安定対策の認定農家などへの限定、米の生産調整の廃止、米価変動補てん金の廃止などの保護政策が外されて農家が展望を失っていると指摘しました。


 参加した農家から後継者もなく、水田の耕作をやめたが借り手もないと現状が報告されました。