【3月20日付】鳥取環境大学公開講座 ― 「農家に嫁来ない?」原因は国民の貧困化

 鳥取環境大学公開講座が5日、鳥取市で開かれ、西村教子教授が「農家に嫁が来ないってホント?」と題して講演しました。


 西村氏は、2010年世界農林業センサスなど政府資料を元に作成した統計を駆使して未婚率が増加している日本の現状を明らかにしました。


 西村氏は、2010年国勢調査で農家男性歳未婚率4割は非農家より10ポイント高いものの、結婚できるかどうかは農家かかどうかより、正規か非正規か など収入の大きさが関わっていると指摘。農業以外の産業と農業経営者を比べても男性の既婚率に差はなく、同じ農業経営者でも年収が700万円以下では未婚 率2割以上だが、1500万円以上では1割未満と差が出ていることを示しました。


 親世代が退職して年金暮らしになり、未婚の子どもが非正規などで収入が少なく、お互いに自立できないため、同居が多くなっているとのべ、「女性にとって は結婚して生活水準を落とすより親と同居の方がよい」と、収入が少ない男性が結婚に不利になっている現状を示しました。


 また、女性が出産、子育てを機に職場を離れて再就職する際に、農業が時間を選ばず長く働ける職場として魅力的だとのべました。