鳥取県弁護士会は6月18日、鳥取市で安保法制のシンポジウムを開き、約220人が参加しました。
大田原俊輔会長は、「立憲主義の危機において私たちがなすべきことは何か」をテーマに開催したのは、違憲な安保法制が成立させられ、権力者をコントロールする憲法が破壊されようとしている危険を知らせるためだとあいさつしました。
鳥取大学の藤田安一教授が「安保法制で私たちの生活がどう変わるか」と題して基調講演。小松哲也、房安強両弁護士がQ&A形式で安保法制の問題点を明らかにしました。
小松弁護士は、「集団的自衛権で日本は戦争をする国になるのか」との質問に、「集団的自衛権とは他国のために戦争する権利。歴代政府は日本への急迫、不正の侵害に対する個別的自衛権の行使は合憲としてきたが、集団的自衛権行使は日本への急迫、不正の侵害がないので違憲だとしてきた。過激武装組織ISへの空爆も集団的自衛権に基づくもので、米国がISに攻撃されたら、日本もISと戦うことになる。安保法制で自衛隊に安全確保業務、駆け付け警護の任務が付与され、PKOや多国籍型治安維持活動で戦闘に巻き込まれる危険が高い」と答えました。
また、米国やフランスを例に軍事的抑止力ではテロは防げないと強調。抑止力論が破綻した場合(軍事的衝突が起こった場合)の、(戦争に至らない)対処の方法が語られないと指摘しました。紛争は国際法による交渉と話合いで解決するのが基本だとのべました。