「鳥取の保育を考える会」は7月24日、湯梨浜町で総会を開き、交流しました。
日本共産党の市谷知子県議は、県が省令改正を受けて保育士の代わりに無資格者の配置を認める条例を出してきたことを報告。「保育士配置基準の弾力化」条例は、①朝夕の最低2人配置のうち1人の無資格者の配置②基準保育士数の3分の1以内の無資格者(小学校・養護教諭)の配置③基準保育士数を上回ったうえでの無資格者の配置を認めるもので、保育の質を低下させる条例は認められないとのべました。
鳥取大学の畑千鶴乃准教授は、鳥取県の保育施設は公立が108園(保育所92、認定こども園16)で私立が81園(保育所68、認定こども園13)だとのべ、「鳥取県の保育は公立が中核的役割を担っている」とのべました。
保育士に占める非正規雇用の比率が高く、非正規5割以上が市町村の7割に及ぶことを示し、「どの自治体も保育士確保が難しいと言うが、鳥取市の場合に任期付短時間勤務(非正規)採用枠80人、正規採用枠1人など正規採用が極端に少ない」と指摘。正規雇用(6~10年勤務で年収263万円)よりさらに劣悪な条件の非正規雇用では保育士の成り手が少ないとして、正規採用を増やすよう提言しました。
また、畑氏の調査で約半数の市町村で無資格者が保育に関わっていて、県の条例が現状を追認するものであることもわかりました。市谷氏の示した県の試算では、県内の保育士配置基準数の2026人に対し、現場の配置数は2893人(国の調査をもとに推定)となっています。配置基準が実態に合わず、本来保育士がやるべき仕事を、基準を上回ったうえで配置された無資格者が担っていることになります。配置基準の抜本改正は急務です。