鳥取高校生未来会議が7月31日、鳥取県米子市で開かれ、10人の高校生が参加しました。18歳選挙権、日本の教育、鳥取県の課題の三つのテーマで地方議員らと懇談しました。
実行委員長の女子高校生(17)は「政治が身近なものとして関心が持てる場所はできないか」と企画理由を語りました。
彼女は今春、東京で開催された高校生未来会議に1人で参加。高校生が議員らと対等に話をして、議論が白熱している様子を見て「本気で日本を変えようとしている高校生がいっぱいいる」と感動しました。「鳥取でも必要だ」と思い、在学する米子西高校や八頭高校の生徒有志らと話し合い、実行委員会をつくって初めて企画しました。
日本共産党の小村勝洋県委員長、市谷知子県議、参院選を野党統一候補としてたたかった福島浩彦氏、自民党の県議、米子市議の計5人が出席。自民党の赤沢亮正衆院議員が冒頭であいさつしました。
参加した高校生は「少人数だが親密な話し合いができてよかった。これからも続けたい」「本音で話し合える、こういう場がほしかった。考えていることを共有できてよかった」と感想をのべました。
高校生が、「家庭の事情で大学に行けない人がいる。(大学で)学べる人と学べない人で格差ができていて、日本の貧困がある。奨学金の考え方を聞きたい」と質問しました。
小村氏は「日本の高等教育への公的支出は先進国中最低クラス。格差の連鎖を断ち切るためにも、教育を受ける権利を保障する必要がある。高すぎる学費を半額にし、給付奨学金を創設することが重要だ」と答えました。
市谷氏は「先進国で給付制は当たり前。大企業減税をやめ、税金の使い方を見直せば財源はある」、福島氏は「何百万円の借金を抱えて社会に出るのは、個人の限界を超えている」と答えました。
日本の教育について、教師をめざしている女子高校生(17)は「農業見学や農業体験などで地域について知る機会がいる。地域の産業について研究することも必要。郷土愛を育てないと、地元に帰って活躍しようという気にならない。バイトで社会経験ができるようにしてほしい。地域の魅力を知らないと衰退する。逆にきちんと知れば、雇用にも起業にもつながる」として、〝自ら考え行動できる人を育てるための教育〟を提唱。「こういう場所に出て発言することで、視野が広がり、地域の活性化につながる。学校だけでは学べない、社会勉強も必要。〝若者が地域や企業と連携する〟ことで、地元を知ることができる」と話しました。
新型エンジンの開発をめざしている男子高校生は「詰め込み教育で個性無視の教育になっている。学習指導要領を見直さないと、(ネックになっていて)個性を育む時間がない。指導要領の内容が多くて、先生が忙しすぎる。先生が偏った思想(と言われる政治)の話ができない。学校の外にも勉強する場所をつくることが必要」とのべました。