【8月7日付】鳥取市で地方創生講演会-地方より東京の問題が深刻

 鳥取市で7月16日、人口問題を考える講座が開かれました。鳥取環境大学の新井直樹准教授が「地方創生の課題と展望」と題して講演しました。


 新井氏は、増田リポートの地方消滅論は人口減少により、特に1万人以下の自治体は消滅するというもので、自治体合併の流れを汲むものだと指摘しました。


 日本の人口減少の構造を「地方から若者が仕事を求めて首都圏に集まるが、超低出生率(2013年 東京1・13、神奈川1・31、埼玉1・33、千葉1・33)でブラックホールのように人口を吸い込んでいる」と説明しました。


 世界的に見て東京(1都3県)の日本の人口に占める人口集中率は29%で、パリ17%、ロンドン14%、ニューヨーク6%、ローマ5%、ベルリン4%と比べて異常に高く、しかも超低出生率で人口減少に拍車をかけているとのべました。


 東京の子育ては過酷で、保育所不足や住居の確保、教育費など資金面の困難さがあるとして、一極集中の是正を説きました。


 さらに、東京では65歳以上高齢者人口が05年の約230万人が35年には400万人近くになり、介護施設が圧倒的に不足し、要介護者に対応する施設を整備すれば、財政的に耐えられなくなると指摘。一方で、鳥取県の高齢者率は全国より10年進んでいるが、高齢者人口は横ばいで推移し、財政に深刻さはないとのべました。しかし、東京からの高齢者の受け入れを迫られ、介護施設を増設すると深刻になると指摘しました。