米子市で11日、平和のための戦争展が開かれました。同実行委員会が主催。
平和について考えるシンポジウムが開かれ、鳥取大学地域学部の藤田安一教授が「子ども達の未来と安全保障と戦争」と題して基調講演。シールズ関西の寺田ともかさん(22)、ママの会@とっとりの智子さん(40)、男子大学生(25)がパネリストとして発言しました。
寺田さんは、米国が9・11テロへの報復戦争で中東の人々を見境なく殺戮するのを見て、「暴力に対して暴力で報いるのは、罪のない命を犠牲にして失敗する」と思った一方で、自衛隊が憲法9条のために武力行使をしなかったことは救いだったとのべました。
しかし、「安保法制のもとで武力を持って出かけて行けば命が失われる」として、「失われる命に誰も責任が持てない。責任が持てないことは許してはいけない」と主張。さらに、「死を厭わないテロに武力で対抗する」のには限界があり、欧米諸国は武力で平和をもたらそうとして失敗を重ねていると指摘しました。
「誰も殺さない」「敵をつくらない」というあり方こそ現実的だとして、「そもそも戦争を避けて(各国・民族・宗派が)共生していくことに政治の役割がある」と強調し、日本は憲法の立場で世界に働きかけ、戦争を避けるための議論をすることが重要だと指摘しました。
会場から「政党に利用されるのでは」との質問が出て、寺田さんは「政党は私たちの声を代弁するためにある。個人、個人が考え、行動することに意味があり、政党を巻き込み、利用することが大事だ」と答えました。
智子さんは「日本の未来に展望が見えず、不安しかない。私たちは子どもの将来を守るために今行動しないといけない。そういう社会をつくっている大人たちの責任が問われている」と話しました。
男子学生は「安倍首相には日本語が通じない。国会が議論する場でなくなっている。はじめからそのまま通すつもりでいる。まわりの学生たちと、もっと普段から政治の話をしないと何も変わらない」と話しました。
シンポジウムの前後で、「演劇集団あり」が大山口列車空襲を題材にした演劇「昭和二十年、夏」を公演。会場では、原爆パネル、戦時中の教科書、軍服や千人針などの遺品が展示され、山陰中国帰還者連絡会を受け継ぐ「あさがおの会」の西村弘命さんが、中国帰還兵の体験について講演しました。