日本共産党の大平喜信衆院議員は2日、鳥取県若桜町の小林昌司長と懇談しました。小林町長は、地域循環型を広げて地域を活性化したいと語りました。
塚田成幸衆院1区候補(東・中部地区委員長)、中尾理明町議が同席しました。
小林町長は、森林が95%を占める町で林業再興は町の活性化に欠かせないとのべ、取り組みを紹介しました。
若桜町は7年前に八頭中央森林組合に加入するまで、20年近く森林組合が存在せず、木材の搬出ゼロの時代が続きました。木材を加工・販売する若桜木材共同組合を設立し、未利用材を買い取ってチップ・燃料に加工する設備を導入。木材乾燥の灯油ボイラーを木質バイオマスボイラーに換え、燃料費を3000万円から1000万円に削減し、エネルギー自給率を高め、お金を町内で循環させています。
森林組合は直接、木材を木材共同組合に持ち込みます。県外に販売していたC材(チップ原料)を自家消費、製品化するなどでA材(上質材)、B材(合板原料)、C材を仕分けして流通に乗せる中間経費を削減し、山主に利益を還元しています。
現在では年間、1万2千立法㍍の木材が搬出されています。木材生産は伸び続け、小林町長は「若桜町が八頭中央森林組合の木材生産の主体になるだろう」とのべました。
若桜町は、昨年度から住宅リフォーム助成制度(上限20万円、半額補助)を導入し、当初予算500万円に補正予算500万円を追加しました。小林町長は「仕事がなかった畳屋が忙しくなった。町外の業者に仕事が取られるのではなく、地域の業者に仕事が回り、お金が地域で循環することが大事だ」と話しました。
小林町長は、月1回の集落座談会を欠かさず行い、40集落から丁寧に要望を聞き取って迅速な行政運営を心掛けていると話しました。移住者も今年約30人増え、昨年4月47人だった「わかさこども園」の園児数が現在65人に増えたと紹介しました。
保育料を3年前から県の制度で無償化しました(県が半額助成、今年度から日南、江府両町で無償化)。若者向け住宅(家賃2万5000円、子ども1人に付き5000円助成)を2戸整備し、本年度にも2戸計画しています。ほかにも学校給食費の半額を補助し、高校生に月7000円の交通費を補助するなど子育て支援を充実させています。
大平氏は、農業振興、米軍低空飛行などについても意見交換しました。
小林町長は「林業と農業の研究グループを立ち上げ、振興をはかっています。鹿の食肉加工場も開設して8月は1日4頭を処理しました。『鹿が食べない。肥料がいらない。単価が高い』エゴマ栽培にも力を入れています」とのべました。