【9月18日付】新婦人境港支部班が憲法カフェー家族制度復活させたい改憲勢力

 鳥取県の新日本婦人の会境港支部の中浜、余子両班は9日、境港市で憲法カフェを開きました。新婦人班が憲法カフェを開いたのは今回が初めてです。


 県九条の会事務局長の浜田章作氏が書籍「あたらしい憲法草案のはなし」(自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合著)をテキストに参加者の疑問や声に答えながら講義しました。


 浜田氏は、憲法公布後に文部省が作った教材「あたらしい憲法のはなし」では、国会の上に法を頂く挿絵で「法(憲法)の支配」を表しているが、「草案のはなし」では、国会の上に国を頂く挿絵で「国家の支配」を表していると指摘しました。


 浜田氏は、国家とは一定の領域に住む国民の集合体に対する政治組織であり、同時に(国民を帰属させるための)観念的共同体だと指摘。


 政府や統治機構はあるが、国家という観念的共同体は実体がないとして、「国家のために働けと言い、戦前のように天皇のために戦争に行って死ねと言うためには、国家があたかもそこにあるような〝実体〟を創る必要がある」と指摘しました。


 参加者から、日本の庶民が江戸時代になかった名字を持ったのはなぜか、自民党改憲案が家族制度を重視しているのはなぜかなどの質問が出ました。


 別の参加者は「軍隊をつくるためではないか。名前だけでは、同じ名前が多くて識別できない」などの意見が出て、浜田氏は「その通り。名字と名前の組み合わせで識別が可能になった」と話しました。


 浜田氏は、戦前は目に見えない国家に対して、家族という目に見えるものを基本単位として国家の観念を構築する手法がとられ、天皇を国父として絶対化したが、草案は戦争ができる国にするために、家族制度(家父が絶対的権限を持つ)を復活させよとしていると指摘しました。