【9月18日付】米子市で環境フェスターエネルギー地産地消で地域内循環を

米子市で10日、「よなご環境フェスタ」(米子市主催)が開かれました。


 鳥取県が環境セミナーを開催し、エネルギー情報センター理事の江田健二氏が電力小売り自由化について、鳥取大学大学院工学研究科メタンハイドレート科学講座の海老沼孝郎氏(寄付講座教授)がメタンハイドレートについてそれぞれ講演しました。


 鳥取県は再生可能エネルギーに力を入れており、発電量の占める自然エネルギーの割合(2014年度)が31%と全国の12・2%を大きく上回っています。内訳は、バイオマス等15・4%、水力11・4%、太陽光2・5%、風力1・7%です。


 大きなものでは、王子製紙のバイオマス(ボイラー)発電11万9400kW、ソフトバンクの太陽光発電4万2906kW、又野川の揚水式発電所120万kW、珍しいものでは湯梨浜地熱発電所(東郷温泉の源泉を利用)、鳥取ガスのガスエンジンによる発電と排熱利用、サントリーの雪氷燃利用(雪を雪室に貯蔵し夏の冷房に利用)などがあります。


 鳥取県では今年4月の電力自由化にともない、ローカルエナジー、とっとり市民電力、南部だんだんエナジー、中海テレビ放送、米子瓦斯、鳥取瓦斯、山陰酸素工業などの新電力が、電力小売事業者の登録を受けました。


 ローカルエナジーは、6者の出資(中海テレビ放送50%、山陰酸素工業20%、米子市10%など)で設立されました。エネルギーの地産地消、地域内資金循環の実現をめざしています。


 米子市クリーンセンターの焼却熱発電(4000kW)の余剰電力などを購入して、市庁舎や学校、公民館など公共施設に供給し、供給エリアを県西部に拡大します。電源構成は市クリーンセンター77%(FIT電源47%、非FIT30%)、その他の廃棄物14%、6%ソフトバンク(FIT電源、太陽光)、2%中海テレビ放送(同)、湯梨浜地熱発電所(FIT電源、地熱)です。


 一般家庭には、中海テレビ放送が販売します。ケーブルテレビ加入とのセットで電気料金を安く設定しています。格安スマホも〝じげの携帯〟として売り出しています。


 フェスタには、環境問題に取り組む企業も出展。福山市に本社があるエフピコは、発砲スチロール食品トレイを回収してトレイを再生、ペットボトル・容器を回収してペット容器(たまごパックなど)に再生しています。原料からつくるよりも食品トレーで35%、ペット容器で33%の二酸化炭素削減効果があるとしています。