鳥取市の一般財団法人日本きのこセンター「菌蕈(きんじん)研究所」で1日、「きのこ祭り」が開かれ、大勢の人で賑わいました。
鳥取県は、ヤナギマツタケの年間生産量が13・5㌧と全国1位です。
菌蕈研究所の屋内では、様々なキノコが展示され、親子連れが観察していました。屋外では、植菌体験やほだ木販売、生シイタケもぎとり、シイタケもちつき実演販売が行われました。バザーでは、しいたけのシチューやそば、冷やしうどん、ソフトクリーム、きのこ鍋、きのこラーメン、きのこ焼きそば、きのこカレーなどが売られました。
菌類は、有機物を生産する植物や有機物を消費する動物と異なり、有機物を無機物に還元する分解者です。
菌類に圧倒的に多いのは腐敗によって分解する腐生菌で、植物につく寄生菌(寄生真菌)がカビやキノコ(菌蕈)です。
キノコと呼ばれるものの大部分は、担子菌類です。オス・メスなど2種類か4種類の性別をもった菌糸(染色体が半分)が接合し、2核細胞をつくります。この 2核細胞が分裂・増殖して菌糸を伸ばし、子実体(キノコ、生殖器官)を形成します。傘の裏側のひだに担子器が密集してできます。担子器で2核が融合し、減 数分裂して胞子ができます。
キノコは、木材を分解する木材腐朽菌が主で、シイタケ、ナメコ、エノキタケなどがあります。そのほかに木の根につく菌根菌のマツタケやホンシメジなどがあり、これらは栽培できません。
食用キノコ類には、食物繊維の一種であるβグルカンと呼ばれる多糖類を多く含みます。免疫力を高め、抗腫瘍効果があると考えられています。シイタケに多く含まれるβグルカンの一種であるレンチナンは、抗がん剤として製造・販売されています。
人結腸がん移植マウスのレンチナンの経口投与実験で、あらかじめ経口投与したマウスグループの腫瘍の1カ月後の重さは、投与しなかったグループの数%にとどまりました。